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教えなければわからない-「以心伝心」より「コミュニケーション」の時代

外国人観光客のマナーの悪さが問題になったり、メディアで取り上げられることがあります。



私自身も、現場でいろいろと目にすることがあります。

よく言われる「トイレにペーパーを流さずゴミ箱に捨てている」のを見ることもよくあります。

靴をはいたまま建物の中に上がろうとする人も見ます。

温泉に水着で入ろうとしている人もいました。



各地で、こういった例は多く見られます。

そして、現場にいると、それで腹を立てている人もよく見ます。



では、どうしたらいいでしょうか?

マナーが悪い(悪く見える)外国人が、一方的に悪いでしょうか?

外国人観光客を増やして、売り上げを伸ばしたいのではないのでしょうか?

それなのに「迷惑」扱いは矛盾していないでしょうか?

外国人は「お客様」なのではないでしょうか?



コミュニケーション1 

コンビニで買い物する外国人観光客
※本文には直接関係ありません。



最近のツアーで、浴槽にタオルをつけたりジャブジャブしている人を見て注意したことがありました。(私のお客様ではありません。)

見た時はさすがにビックリします。

でも、注意したらすぐにやめるし、また同じことはしませんでした。

外国人だって、言えばわかるわけです。



私が思うには、コミュニケーションがもっと必要だと思います。

つまり、「教える」「説明する」「注意する」ということです。



日本人が海外旅行をする時を考えてみてください。

日本では、音をたててスープを飲んだり、麺を食べるのは悪いマナーではありません。

食器を持って食べるのも、悪いマナーではありません。



でも、知らずに外国で同じことをすると「マナーが悪い」と思われる可能性があります。

かつて日本人の団体がヨーロッパに押し寄せて、旗を持って「爆買い」をし、顰蹙をかったこともありました。

例はたくさんありますが、いずれも悪気はないと思います。

でも、やはり「知らなければ、言われなければ、教えてもらわなければわからない」
ということではないでしょうか?



日本では、日本特有の文化や習慣が多くあります。

これまでは日本人同士は多くの言葉を交わさなくても「以心伝心」で伝わり、またそれがよしとされてきました。



しかし、そういう時代ではなくなってきています。

こんなに多くの外国人が日本に溢れるということは、日本史上かつてなかったわけです。

大きな時代の変化が訪れていることを日本人は認識する必要があると思います。



文化も習慣も違う人たちには、「以心伝心」を要求するのは無理があります。
「言葉」できちんと説明し、教える必要があります。

それを仕事としてやっているのが、我々国家試験を受けた「通訳案内士(俗称:通訳ガイド)」です。

通訳ガイドは、外国人観光客が日本で快適な滞在ができるようお手伝いをしますが、

その大きな役目は「日本の文化・習慣について説明すること」です。



一例ですが、温泉旅館で「和室」に泊まる時には、絵カードや写真なども使って細かく説明をします。

・部屋に入る時は靴を脱ぐこと。

・畳の上には、靴やスリッパで上がらないこと。

・清潔なところとそうでないところを分ける習慣があること。

・トイレにスリッパがある場合、トイレのみで使い、トイレ以外では使わないこと。

・畳はい草でできているので、スーツケースを転がすなどしていためないこと。

・布団は食事中にスタッフが敷くので、自分でやらなくていいこと。

・「床の間」は上座にあること。荷物を置く場所ではないこと。

・クローゼットに浴衣や帯が入っていること。

・浴衣の着方や温泉の入り方。


浴衣入れ 

ある温泉旅館にて
※本文には直接関係ありません。


和室に関してだけでもこれだけあるわけです。

道中、毎日説明しながら移動しています。


日本人には「あたりまえ」のことですが、外国人には言わないとわかりません。

畳の部屋でもたぶん靴で平気で入ってしまうと思います。

たまに、トイレのスリッパで宴会場に現れる方もいます。。。



通訳ガイドがいれば、必要なことは説明しますし、それが仕事です。

しかし、資格を持たないいわゆる無資格の「ノンライセンス・ガイド」が多く現場にいるものまた現状です。

無資格ガイドには海外からそのまま来る外国人も多いです。

ですから、必ずしも日本の習慣を知っている訳ではありません。

実際、でたらめな説明をしているのを聞いたこともあります。



マナーが悪い観光客には、「資格を持った通訳案内士がついていない」という場合が多々あるかと思います。

実際、そういう人がいる近くに通訳案内士証を持った人がいるのを見たことはありません。

いれば、注意するはずですし、事前に説明するはずです。

また、最近は団体旅行よりも個人旅行を好む傾向も強くなっているので、

ガイドをつけずに自分で回っている人が増えている可能性はあります。



よく、

「ちょっとガイドさん、注意して!」

と言われることがあります。

時には、自分のお客様でもないのに、一緒に怒られることさえあります。



もちろん、我々も最大限仕事はします。

しかし、

「言葉ができないから、誰かに言ってもらう」

という姿勢ではやっていけない時代になっています。



文句を言いたいなら、注意をしたいなら、

「自分で言う」

「自分でコミュニケーションする」

という姿勢が必要ではないでしょうか?



それもせずに、ただ無愛想だったり、無口だったり、切れてしまうのでは、

外国人には全く意味が通じません。

自分もストレスなだけだと思います。



日本人の苦手なところ、意識を変えないといけないところは、まさにそこだと思います。

言わないでわかってもらおうとするから、イライラするのです。



コミュニケーション2 

あるレストランの朝食会場にて
※本文には直接関係ありません。



でも、外国人に「言わないでわかってもらう」のは無理です。

生まれた時からの文化、習慣が違うのですから。



日本人はなぜか外国語が苦手」と言われますが、世界でも難しい日本語を使えている訳ですから、

言語能力が低いはずはないと思います。

識字率も高いし、義務教育で英語は必修になっています。

日常で外国語を使う機会が少ないという以外は、できない理由はないと思います。


「日本人は外国語ができない」という思い込みを日本人が捨てるべき
http://tourguidetokyo.blog.fc2.com/blog-entry-72.html



かといって、何でもかんでも極端に外国人に合わせるのがいいという意味ではもちろんありません。

私自身は、個人的には「郷に入りては郷に従え」という考えです。

ですから、外国に行く時には、少なくともその国の言葉で挨拶ぐらいはできるようにするべきだと思いますし、

文化や習慣については予め勉強していくのが礼儀だと思っています。



ですので、決して外国人観光客がお客様だから好き放題にさせていいと思っている訳ではありません。

むしろ、私は口うるさく言っていますし、何でも外国語に訳さず日本語もなるべく教えたりもしています。

増える外国人に抵抗を感じる人もいるでしょう。



しかし、超少子化で人口も減少する一方の日本では、もはや日本人だけでやっていくことができなくなっています。

外国人、特に一時的な滞在で経済を助けてくれる外国人観光客に頼ることは避けられません。

であれば、うまくコミュニケーションできるよう工夫をして、外国人にも楽しんでもらい、

ビジネスでも利益になるという方が賢明かつ前向きではないでしょうか?



言うは易しですが、日本の安全と繁栄を守るためにも、前向きに頑張るしかないと思います。

日本人ならきっとできるだろうと思います!!



※この記事は、「やまとごころブログ」の中の筆者ブログ「英語、ときどきインドネシア語」にも掲載されたものです。
(掲載期間2012年10月~2016年5月) http://www.yamatogokoro.jp/sasayama/
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プロフィール

英語通訳案内士・篠山美智子

Author:英語通訳案内士・篠山美智子
英語通訳案内士。オーストラリア留学後、前職(日本語教育関係)でインドネシアとマレーシアに計8年滞在。2009年より通訳案内士専業。日本及び海外旅行会社の団体ツアー、個人旅行客(FIT)、企業のインセンティブ・ツアー、政府関係のプロジェクト等に就業。北海道から九州まで日本全国を周る。

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