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「語学力」は国の力 -シンガポールの「言葉のパワー」に学ぶー

シンガポールに行きました。

東南アジアで感じるのは圧倒的な言葉のパワー」です。



シンガポール3 



シンガポールの国語はマレー語です。

公用語は英語、中国語、マレー語、タミール語です。


でも、実際は英語が共通語で、それぞれ民族によって中華系は中国語、

マレー系はマレー語、インド系はタミール語を使っているという感じです。



マレーシアで仕事をしていた時もそうでしたが、「1つの言語で済む」ということがまずなくて、

英語が通じる人通じない人、中国語しか通じない人、マレー語しか通じない人もたくさんいるわけです。

ですから、話す時に相手によってコロコロ言語が変わります。



そういう環境にいるとどうなるかというと、言葉が通じないと自分のしたいことができないし不便なので、

「自分の目的を達成するためには、相手のわかる言語で話す必要がある」

ということで、複数言語を話そうとします。

それはまた自分たちの「意見を主張する」ためでもあると思います。




ですから、この地域の人は、同じ国の人であっても数か国語を話すのが当たり前になっています。
外国語を話すのは「日常」であり、驚くことでも恥ずかしいことでもありません。


シンガポール2



この感覚が日本では、ほとんどないと思います。

日本では「日本語しか通じない」はあっても「日本語が通じない」はまずないです。

「英語なら通じる」や「中国語なら通じる」もないです。

ここが圧倒的に違います。

だから日本にだけいると「外国語ができないと生活できない」とか「不利」という感覚が育たないと思います。



「日本人が外国語が苦手・できない」という最大の理由はここだと個人的には思っています。

つまり、外国語ができないということに対して「危機感」がないということです。



歴史的には諸外国に翻弄されたシンガポールをはじめ東南アジアの国々ですが、

結果としてそれが「サバイバル力」「異文化適応力」を育てたのではないかと思います。

同時に、「自分たちの文化を守ろう」という意識も。



島国の日本は、よいか悪いかは別として、複数言語を使うことによるサバイバル力や、

複数言語を話さないことによる危機感は圧倒的に弱いと思います。


しかし、外国人が少なかった時代はそれで済んできたかもしれませんが、

これからの外国人と共存せざるを得ない時代、個人レベルで外国人とのコミュニケーションが必要となってくる時代には、

語学力」が必ず国の力に影響すると思います。



日本に来る人が日本語ができれば、一番よいかもしれません。

しかし残念ながら、現状では多くの場合、それは無理があります。


日本語ができない人とコミュニケーションしたり、日本のルールを守ってもらうためには、

こちらも「相手の言葉ができる」必要があります。

そうでないと、言うことを聞いてもらえないからです。

いくら「ここは日本だから日本語を話せ」と言っても、来てしまったものは止められません。

「靴を脱いでください」

「ゴミはゴミ箱に捨ててください」

「ここは私有地ですから入らないでください」

「写真をとらないでください」

など、全て日本語で言っても通じません。

だったら、外国語で言おうではありませんか?



念のため、「日本語を使うのをやめよう」という意味では全くありません。

日本の公用語は日本語であり、日本語が正しく使えることは、

日本文化を守るためにも重要なことであることは言うまでもありません。


それは前提として、でも「ツール」として外国語ができることが必要だという意味です。



シンガポール1 



「外国語を使う」ということは、自分自身が海外に行って便利なだけでなく、

日本でも役に立つことであり、ひいては「日本の治安や文化を守る」ことにもなると思います。

「外国語ができない」とか「下手」と言っている場合ではありません。



日本からの修学旅行生を多く見ましたが、若い世代の人たちもドンドン海外へ行っていろんな経験をし、

将来外国人とも自由にコミュニケーションできる頼もしい人材に育ってほしいと思います。



シンガポール4 





※この記事は、「やまとごころブログ」の中の筆者ブログ「英語、ときどきインドネシア語」にも掲載されたものです。
(掲載期間2012年10月~2016年5月) http://www.yamatogokoro.jp/sasayama/


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プロフィール

英語通訳案内士・篠山美智子

Author:英語通訳案内士・篠山美智子
英語通訳案内士。オーストラリア留学後、前職(日本語教育関係)でインドネシアとマレーシアに計8年滞在。2009年より通訳案内士専業。日本及び海外旅行会社の団体ツアー、個人旅行客(FIT)、企業のインセンティブ・ツアー、政府関係のプロジェクト等に就業。北海道から九州まで日本全国を周る。

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