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「生ものは食べられない」というリクエストの意味

お客様から「生もの(raw food)は食べられない」というリクエストをいただくことがあります。


多くの場合は、和食でよく出る「刺し身(raw fish)が食べられない」という意味になります。

 

そして、刺し身の代わりによく出されるのが、「こんにゃくの刺し身」。




こんにゃく 

 

こんにゃくの刺し身の例:このレストランと本文の内容は関係ありません。

 



リクエストに対応していただけるのは大変ありがたいのですが、残念ながら「こんにゃくの刺し身」はまず手をつけられません。


外国人のお客様にとっては、これも「生もの」に入ると思います。言い換えれば


生臭いもの


でしょうか。

 

よくあるので、あるレストランの方に、なぜ「こんにゃくの刺し身」なのか聞いてみたところ、


刺し身は日本の代表的な食べ物だから。


とのことでした。


その方には「こんにゃくの刺し身=生もの」という感覚はないようでした。

 


なるほど。なるべく和食和食らしく召し上がってほしいという気持ちは理解できます。


しかし、いくら気持ちがあっても、お客様の口に合わないものであれば、せっかく変えてもらったのにもったいないです。

 


日本人は「生もの」を食べるのに慣れていますが、多くの外国人はそういう習慣がありません。


日本では「水道水」も飲めるし、生ものも安全だといくら説明しても、


長年の習慣や考え方を変える


ことまではなかなかできません。


逆に日本に住み慣れた人であれば、「生ものは食べない」という感覚がなかなかわからないかもしれません。


 

違う文化を理解すること、受け入れることは難しいことですが、


外国人を受け入れる


インバウンドをやる


ということは、そういうことを意味していると思います。


日本的な発想でうまく行くとは限りませんし、「魚がダメなら他のものならいい」と単純にいくものでもありません。


これという決まった答えがあるわけでもありません。

 


通訳案内士がうまく双方の意図を伝えたり調整することももちろん必要ですが、実際に作るのはレストランの方ですので、どういうものができるのかをよくご存じで、それを作ることができるのはやはりプロの調理する方々だと思います。


また召し上がるのはお客様なので、おいしいと感じるかどうかはお客様次第です。

 


うまく言えませんが、あくまで最後は


作る人と食べる人のコミュニケーション


だと思います。

通訳案内士はあくまで「仲介」です。


「言われたからそうする」という受け身ではなく、もっとお客様のニーズを知ろうとする歩み寄りがあれば、より満足度の高い料理が提供できるようになるのではないでしょうか。




※この記事は、「やまとごころブログ」の中の筆者ブログ「英語、ときどきインドネシア語」にも掲載されたものです。

(掲載期間2012年10月~2016年5月) http://www.yamatogokoro.jp/sasayama/

2014-05-07

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プロフィール

英語通訳案内士・篠山美智子

Author:英語通訳案内士・篠山美智子
英語通訳案内士。オーストラリア留学後、前職(日本語教育関係)でインドネシアとマレーシアに計8年滞在。2009年より通訳案内士専業。日本及び海外旅行会社の団体ツアー、個人旅行客(FIT)、企業のインセンティブ・ツアー、政府関係のプロジェクト等に就業。北海道から九州まで日本全国を周る。

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