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通訳ガイドとしてやるべきことは「海外に向けて外国語で発信すること」。

東日本大震災から3年たちました。


改めまして、被災者の方々にお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 


皆様それぞれの思いがおありのことと思います。

 


被災地とは比べ物になりませんが、震災直後は東京近辺も余震が続き、東京タワーのライトアップが消え、日本はどうなるのかと不安になり、とても悲しかったのを覚えています。

 

我々通訳ガイドの多くも、一瞬にして仕事がなくなり、長く二次災害に苦しみました。

 


そんな中、私がとても心を痛めたのは、震災直後からの海外のニュース、ネット上でのSNS

通じたいわゆる「風評」です。


その内容には、国内で(日本語で)放送されている内容とはかなり「温度差」や違いを感じました。

 

海外の多くの人は、東北がどこで、福島がどこで、東京からどれぐらい離れているのかがわかりません。


それは海外で事件があった時も同じで、「バリ島でテロ」というだけで、広いインドネシア全体が危険な国と思われてしまったりします。


実際その国にいれば、どこがどういう場所で、どれぐらい離れているのかなどがわかるので、冷静な判断ができます。

 

コワいのは、根も葉も根拠もないうわさを、無責任に流したり広めてしまう人がいるということです。


しかも、外国語で行われているので、外国語のわからない日本人は気づくこともできません。


悪気のないものから悪意の感じられるものまで、あまりに多くの情報が飛び交っていて、見ているだけで吐きそうでした。


しかし明らかに、国内で日本語で流れている情報と、温度差がありました。

 

そこで思いました。「海外に外国語で発信しよう」と。


通訳ガイドとしてできる最大のことはそれだろうと。

 


自分も仕事がなくなってしまいましたが、あの状況ではどうしようもありませんでした。


でも逆に「時間」はできた。どうせならポジティブに時間を使おう。


個人でできることは限られるけれど、何もせずにはいられない。


 

被災地にボランティアに行くべきか。でも、タフでもなく腕力もない自分が行って大して役に立つとは思えない。


逆に迷惑をかけてしまうかもしれない。


それでは意味がない。

 


いろいろ考えた結果、やはり自分の力を最大限に活かすことができるのは、


海外に外国語で発信すること


だと思いました。

 

風評がネットで広がっているなら、ネットで「美しい日本」を広めよう、と。

 


その時から、せっかくできた時間をSNSを中心に海外向けに情報発信することに費やしました。


しかし、ただ「日本は安全ですよ」と日本人が言葉で言っても、説得力がないと思いました。


また、同じ気持ちで発信している人もいて、


「震災やネガティブなことを連想させるのはよくない」


とおっしゃっていて、そうだなと思いました。


ですので、実際に行って撮った日本のきれいな写真、安全な写真を載せることにしました。

 


そんな時、歌手のLady Gagaさんが来日しました。


彼女はあえて被災地には行かず、東京でコンサートとショッピングの様子などを伝えて「安全な東京」をアピールしました。


インタビューで、自分が被災地に行ってマスコミが報道するのは大きな影響があることはわかっているけれど、今それをすることは日本の安全をアピールすることには逆効果だ、と言っていました。


いろいろ考えはあると思いますが、私は彼女の考えに共感しました。

 


多くのタレントが来日をキャンセルした中、外国人の彼女が来てくれたことは本当に心強く、今でも強く感謝の気持ちが残っています。

 


またちょうど「自粛」が全国に広がって、被害のない西日本まで意気消沈してしまった感がありましたが、日本全体が沈んでしまっては意味がありませんし、海外の人に「日本は全国的に危険だ」という印象を与えてしまいます。


日本人的な「自粛」は外国人には理解されません。日本全体が立ち直れば、被災地にもいい影響が出ると、ポジティブに考える方がいいと思いました。

 


芸能人のような影響力はないけれど、有志を持った仲間で発信すれば大きな力になると信じて、今も続けています。


最近は日本語で発信することも増えましたが、外国語では、あえて震災にふれません。


でも、震災を忘れたわけでは決してないし、むしろことあるごとに思い出しています。

 


昨年は、外国人観光客一千万人を超え、2020年東京オリンピックが決まるという、夢のような年でした。


通訳ガイドとしては、これからの仕事にも希望ができて、本当にありがたいことです。

 


でも同時に、一層気を引き締めていかないとという思いを新たにしています。


地震は日本がある限り必ずまた来ますし、何年もの積み重ねが一瞬にして消えることを、震災で体験しました。


そういう意味では、いつまたどうなるかわからないという思いが常にあります。

 

でも日本はそういう国ですし、だからこそ「諸行無常」「一期一会」といった価値観が大切にされてきたと思います。


その日本人の心を、できるだけ外国人にお伝えしたいと思っています。

 


海外からのお客様には、


「震災の年にツアーを予約していたけど、キャンセルして今回やっと来られた」


という方も何人もいらっしゃいます。


「震災について話してほしい」


とか、


「その後どうなったの」


という質問も出ています。


聞かれれば、率直に答えます。


また、自然災害は昔から何度となく起こっているけれど、その都度日本人は立ち直ってきた、という話もします。

 


今はまだ被災地に観光としてお客様を連れて行ってはいませんが、そのうち機会があれば、お役に立てればと思っています。

 

バブルに浮かれるのではない日本人の「底力」を発揮するのは、これからではないでしょうか。

 

We never give up!




※この記事は、「やまとごころブログ」の中の筆者ブログ「英語、ときどきインドネシア語」にも掲載されたものです。

(掲載期間2012年10月~2016年5月) http://www.yamatogokoro.jp/sasayama/


 

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プロフィール

英語通訳案内士・篠山美智子

Author:英語通訳案内士・篠山美智子
英語通訳案内士。オーストラリア留学後、前職(日本語教育関係)でインドネシアとマレーシアに計8年滞在。2009年より通訳案内士専業。日本及び海外旅行会社の団体ツアー、個人旅行客(FIT)、企業のインセンティブ・ツアー、政府関係のプロジェクト等に就業。北海道から九州まで日本全国を周る。

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